ステップ _9713

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サムエル記上 1

1 エフライムの地のラマタイム・ゾピムに、エルカナという名の人があった。エフライムびとで、エロハムのであった。エロハムはエリウの、エリウはトフの、トフはツフのである。

2 エルカナには、ふたりのがあって、ひとりの名はハンナといい、ひとりの名はペニンナといった。ペニンナには子どもがあったが、ハンナには子どもがなかった。

3 この人は年ごとに、そのからシロに上っていって、万を拝し、に犠牲をささげるのを常とした。シロには、エリのふたりの子、ホフニとピネハスとがいて、に仕える祭司であった。

4 エルカナは、犠牲をささげるペニンナとそのむすこにはみな、その分け前を与えた。

5 エルカナはハンナしていたが、彼女には、ただ一つの分け前を与えるだけであった。がその胎を閉ざされたからである。

6 また彼女を憎んでいる他の妻は、ひどく彼女を悩まして、がその胎を閉ざされたことを恨ませようとした。

7 こうして年は暮れ、年は明けたが、ハンナが主の宮に上るごとに、ペニンナは彼女を悩ましたので、ハンナは泣いて食べることもしなかった。

8 エルカナは彼女に言った、「ハンナよ、なぜ泣くのか。なぜ食べないのか。どうして心に悲しむのか。わたしはあなたにとって人のどもよりもまさっているではないか」。

9 シロで彼らが飲み食いしたのち、ハンナは立ちあがった。その時、祭司エリ主の神殿の柱のかたわらの座にすわっていた。

10 ハンナは心に深く悲しみに祈って、はげしく泣いた。

11 そして誓いを立てて言った、「万よ、まことに、はしための悩みをかえりみ、わたしを覚え、はしためを忘れずに、はしために男の子を賜わりますなら、わたしはその子を一生のあいだにささげ、かみそりをそのにあてません」。

12 彼女が主ので長く祈っていたので、エリは彼女のに目をとめた。

13 ハンナのうちで物を言っていたので、くちびるが動くだけで、声は聞えなかった。それゆえエリは、酔っているのだと思って、

14 彼女に言った、「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい」。

15 しかしハンナ答えた、「いいえ、わがよ。わたしは不幸な女です。ぶどう酒も濃い酒も飲んだのではありません。ただ主のに心を注ぎ出していたのです。

16 はしためを、悪い女と思わないでください。積る憂いと悩みのゆえに、わたしは今まで物を言っていたのです」。

17 そこでエリ答えた、「安心して行きなさい。どうかイスラエルのがあなたの求める願いを聞きとどけられるように」。

18 彼女は言った、「どうぞ、はしためにも、あなたのに恵みを得させてください」。こうして、その女は去って食事し、そのは、もはや悲しげではなくなった。

19 彼らは早く起きて、主のに礼拝し、そして、ラマにあるに帰って行った。エルカナはハンナを知り、が彼女を顧みられたので、

20 彼女はみごもり、その時が巡ってきて、男のを産み、「わたしがこのに求めたからだ」といって、その名をサムエルと名づけた。

21 エルカナその人とその族とはみな上っていって、年ごとの犠牲と、誓いの供え物とをささげた。

22 しかしハンナは上って行かず、に言った、「わたしはこの子が乳離れしてから、主のに連れていって、いつまでも、そこにおらせましょう」。

23 エルカナは彼女に言った、「あなたが良いと思うようにして、このの乳離れするまで待ちなさい。ただどうかがその言われたことを実現してくださるように」。こうしてその女はとどまって、そのに乳をのませ、乳離れするのを待っていたが、

24 乳離れした時、歳の雄牛一頭、麦粉一エパ、ぶどう酒のはいった皮袋一つを取り、その子を連れて、シロにある主の宮に行った。その子はなお幼かった。

25 そして彼らはその牛を殺し、子供をエリのもとへ連れて行った。

26 ハンナは言った、「わが君よ、あなたは生きておられます。わたしは、かつてここに立って、あなたの前で、に祈った女です。

27 この子を与えてくださいと、わたしは祈りましたが、はわたしの求めた願いを聞きとどけられました。

28 それゆえ、わたしもこの子をにささげます。この子は一生のあいだにささげたものです」。

サムエル記上 2

1 ハンナは祈って言った、「わたしのによって喜び、わたしの力はによって強められた、わたしのをあざ笑う、あなたの救によってわたしは楽しむからである。

2 主のように聖なるものはない、あなたのほかには、だれもない、われわれの神のようなはない。

3 あなたがたは重ねて高慢に語ってはならない、たかぶりの言葉をにすることをやめよ。はすべてを知る神であって、もろもろのおこないはによって量られる。

4 勇士のは折れ、弱き者はを帯びる。

5 飽き足りた者は食のために雇われ、飢えたものは、もはや飢えることがない。うまずめは七人のを産み、多くのをもつ女は孤独となる。

6 は殺し、また生かし、陰府にくだし、また上げられる。

7 は貧しくし、またませ、低くし、また高くされる。

8 貧しい者を、ちりのなかから立ちあがらせ、乏しい者を、あくたのなかから引き上げて、王侯と共にすわらせ、栄誉の位を継がせられる。地の柱は主のものであって、その柱の上に、世界をすえられたからである。

9 主はその聖徒たちのを守られる、しかし悪いものどもは暗黒のうちに滅びる。人は力をもって勝つことができないからである。

10 と争うものは粉々に砕かれるであろう、は彼らにむかって天からをとどろかし、地のはてまでもさばき、王にを与え、油そそがれた者のを強くされるであろう」。

11 エルカナはラマにあるに帰ったが、幼な子は祭司エリにいて仕えた

12 さて、エリらは、よこしまな人々で、を恐れなかった。

13 民のささげ物についての祭司のならわしはこうである。人が犠牲をささげる時、そのを煮る間に、祭司のしもべは、みつまたの刺しをに持ってきて、

14 それをかま、またはなべ、またはおおがま、または鉢に突きいれ、肉刺しの引き上げるものは祭司がみな自分のものとした。彼らはシロで、そこに来るすべてのイスラエルの人に、このようにした。

15 人々が脂肪を焼く前にもまた、祭司のしもべがきて、犠牲をささげる人に言うのであった、「祭司のために焼くを与えよ。祭司はあなたから煮たを受けない。生のがよい」。

16 その人が、「まず脂肪を焼かせましょう。その後ほしいだけ取ってください」と言うと、しもべは、「いや、今もらいたい。くれないなら、わたしは力づくで、それを取ろう」と言う

17 このように、その若者たちのは、主のに非常に大きかった。この人々が主の供え物を軽んじたからである。

18 サムエルはまだ幼く、身に亜麻布のエポデを着けて、主のに仕えていた。

19 は彼のために小さい上着を作り、年ごとに、と共にその年の犠牲をささげるために上る時、それを持ってきた。

20 エリはいつもエルカナとその祝福して言った、「この女がにささげた者のかわりに、がこの女によってあなたに子を与えられるように」。そして彼らはその家に帰るのを常とした。

21 こうしてハンナを顧みられたので、ハンナはみごもって、人の男の子とふたりの女のを産んだ。わらべサムエル主の前で育った。

22 エリはひじょうに年をとった。そしてその子らがイスラエルの人々にしたいろいろのことを聞き、また会見の幕屋の入口で勤めていた女たちと寝たことを聞いて、

23 彼らに言った、「なにゆえ、そのようなことをするのか。わたしはこのすべての民から、あなたがたの悪いおこないのことを聞く

24 わが子らよ、それはいけない。わたしの聞く主の民の言いふらしている風説は良くない。

25 もし人が人に対して罪を犯すならば、が仲裁されるであろう。しかし人がに対して罪を犯すならば、だれが、そのとりなしをすることができようか」。しかし彼らは父の言うことに耳を傾けようともしなかった。が彼らを殺そうとされたからである。

26 わらべサムエルは育っていき、も、人々も、ますます愛せられた。

27 このとき、ひとりの神の人が、エリのもとにきて言った、「はかく仰せられる、『あなたの先祖エジプトでパロのの奴隷であったとき、わたしはその先祖に自らを現した。

28 そしてイスラエルのすべての部族のうちからそれを選び出して、わたしの祭司とし、わたしの祭壇に上って、香をたかせ、わたしのでエポデを着けさせ、また、イスラエルの人々の火祭をことごとくあなたの先祖に与えた。

29 それにどうしてあなたがたは、わたしが命じた犠牲と供え物をむさぼりの目をもって見るのか。またなにゆえ、わたしよりも自分の子らを尊び、わたしの民イスラエルのささげるもろもろの供え物の、最も良き部分をもって自分を肥やすのか』。

30 それゆえイスラエルのは仰せられる、『わたしはかつて、「あなたのとあなたの父のとは、永久にわたしのに歩むであろう」と言った』。しかし今、は仰せられる、『決してそうはしない。わたしを尊ぶ者を、わたしは尊び、わたしを卑しめる者は、軽んぜられるであろう。

31 見よ、来るであろう。その、わたしはあなたの力と、あなたの父のの力を断ち、あなたのに年老いた者をなくするであろう。

32 そのとき、あなたは災のうちにあって、イスラエルに与えられるもろもろの繁栄を、ねたみ見るであろう。あなたのには永久に年老いた者がいなくなるであろう。

33 しかしあなたの一族のひとりを、わたしの祭壇から断たないであろう。彼は残されてそのを泣きはらし、心を痛めるであろう。またあなたのに生れ出るものは、みなつるぎに死ぬであろう。

34 あなたのふたりの子ホフニとピネハスの身に起ることが、あなたのためにそのしるしとなるであろう。すなわちそのふたりは共に同じ死ぬであろう。

35 わたしは自分のために、ひとりの忠実な祭司を起す。その人はわたしの心と思いとに従って行うであろう。わたしはそのを確立しよう。その人はわたしが油そそいだ者のにつねに歩むであろう。

36 そしてあなたので生き残っている人々はみなきて、彼に一枚のと一個のパンを請い求め、「どうぞ、わたしを祭司の職の一つに任じ、一口のパンでも食べることができるようにしてください」と言うであろう』」。

サムエル記上 3

1 わらべサムエルは、エリで、に仕えていた。そのころ、主の言葉はまれで、黙示も常ではなかった。

2 さてエリは、しだいがかすんで、見ることができなくなり、そのとき自分のへやで寝ていた。

3 神のともしびはまだ消えず、サムエル神の箱のある主の殿に寝ていた時、

4 は「サムエルよ、サムエルよ」と呼ばれた。彼は「はい、ここにおります」と言って、

5 エリの所へ走っていって言った、「あなたがお呼びになりました。わたしは、ここにおります」。しかしエリは言った、「わたしは呼ばない。帰って寝なさい」。彼は行って寝た。

6 はまたかさねて「サムエルよ、サムエルよ」と呼ばれたサムエルは起きてエリのもとへ行って言った、「あなたがお呼びになりました。わたしは、ここにおります」。エリは言った、「よ、わたしは呼ばない。もう一度寝なさい」。

7 サムエルはまだを知らず、主の言葉がまだ彼に現されなかった。

8 はまた三度目にサムエル呼ばれたので、サムエルは起きてエリのもとへ行って言った、「あなたがお呼びになりました。わたしは、ここにおります」。その時、エリがわらべを呼ばれたのであることを悟った。

9 そしてエリサムエルに言った、「行って寝なさい。もしあなたを呼ばれたら、『しもべは聞きます。よ、お話しください』と言いなさい」。サムエルは行って自分の所で寝た。

10 はきて立ち、前のように、「サムエルよ、サムエルよ」と呼ばれたので、サムエルは言った、「しもべは聞きます。お話しください」。

11 その時、サムエルに言われた、「見よ、わたしはイスラエルのうちに一つの事をする。それを聞く者はみな、耳がつとも鳴るであろう。

12 そのには、わたしが、かつてエリについて話したことを、はじめから終りまでことごとく、エリに行うであろう。

13 わたしはエリに、彼が知っている悪事のゆえに、その永久することを告げる。その子らが神をけがしているのに、彼がそれをとめなかったからである。

14 それゆえ、わたしはエリ誓うエリの悪は、犠牲や供え物をもってしても、永久にあがなわれないであろう」。

15 サムエルまで寝て、主の宮の戸をあけたが、サムエルはその幻のことをエリに語るのを恐れた

16 しかしエリサムエルを呼んで言った、「わがサムエルよ」。サムエルは言った、「はい、ここにおります」。

17 エリはった、「何事をお告げになったのか。隠さず話してください。もしお告げになったことを一つでも隠して、わたしにわないならば、どうぞがあなたをし、さらに重くせられるように」。

18 そこでサムエルは、その事をことごとく話して、何も彼に隠さなかった。エリは言った、「それはである。どうぞが、良いと思うことを行われるように」。

19 サムエルは育っていった。が彼と共におられて、その言葉を一つも地に落ちないようにされたので、

20 ダンからベエルシバまで、イスラエルのすべての人は、サムエル主の預言者と定められたことを知った。

21 はふたたびシロで現れられた。すなわちシロで、主の言葉によって、サムエルに自らを現された。こうしてサムエル言葉は、あまねくイスラエルの人々に及んだ。

サムエル記上 4

1 イスラエルびとは出てペリシテびとと戦おうとして、エベネゼルのほとりに陣をしき、ペリシテびとはアペクに陣をしいた。

2 ペリシテびとイスラエルびとにむかって陣備えをしたが、戦うに及んで、イスラエルびとはペリシテびとに敗れ、ペリシテびとは戦場において、おおよそ人を殺した。

3 民が陣営に退いた時、イスラエルの長老たちは言った、「なにゆえ、はきょう、ペリシテびとにわれわれを敗られたのか。シロへ行って主の契約の箱をここへ携えてくることにしよう。そしてをわれわれのうちに迎えて、の手から救っていただこう」。

4 そこで民は人をシロにつかわし、ケルビムの上に座しておられる万主の契約の箱を、そこから携えてこさせた。その時エリのふたりの子、ホフニとピネハス神の契約の箱と共に、その所にいた。

5 主の契約の箱が陣営についた時、イスラエルびとはみな大声で叫んだので、地は鳴り響いた。

6 ペリシテびとは、その叫び声を聞いて言った、「ヘブルびとの陣営の、この大きな叫び声は何事か」。そして主の箱が、陣営に着いたことを知った時、

7 ペリシテびと恐れて言った、「神々が陣営にきたのだ」。彼らはまた言った、「ああ、われわれはわざわいである。このようなことは今までなかった。

8 ああ、われわれはわざわいである。だれがわれわれをこれらの強い神々から救い出すことができようか。これらの神々は、もろもろの災をもってエジプトびとを荒野で撃ったのだ。

9 ペリシテびとよ、勇気を出して男らしくせよ。ヘブルびとがあなたがたに仕えたように、あなたがたが彼らに仕えることのないために、男らしく戦え」。

10 こうしてペリシテびとが戦ったので、イスラエルびとは敗れて、おのおのその家に逃げて帰った。戦死者はひじょうに多く、イスラエルの歩兵で倒れたものは三万であった。

11 また神の箱は奪われ、エリのふたりの子、ホフニとピネハスは殺された。

12 そのひとりのベニヤミンびとが、衣服を裂き、に土をかぶって、戦場から走ってシロにきた。

13 彼が着いたとき、エリは道のかたわらにある自分の座にすわって待ちかまえていた。その神の箱の事を気づかっていたからである。その人がにはいって、情報をつたえたので、はこぞって叫んだ。

14 エリはその叫び声を聞いて言った、「この騒ぎ声は何か」。その人は急いでエリの所へきてエリに告げた。

15 その時エリは九十八歳で、そのは固まって見ることができなかった。

16 その人はエリに言った、「わたしは戦場からきたものです。きょう戦場からのがれたのです」。エリは言った、「わがよ、様はどうであったか」。

17 しらせをもたらしたその人は答えて言った、「イスラエルびとは、ペリシテびとから逃げ、民のうちにはまた多くの戦死者があり、あなたのふたりの子、ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました」。

18 彼が神の箱のことを言ったとき、エリはその座から、あおむけにのかたわらに落ち、首を折って死んだ。老いて身が重かったからである。彼のイスラエルをさばいたのは四十年であった。

19 彼の嫁、ピネハスはみごもって出産の時が近づいていたが、神の箱が奪われたこと、しゅうととが死んだというしらせを聞いたとき、陣痛が起り身をかがめて子を産んだ。

20 彼女が死にかかっている時、世話をしていた女が彼女に言った、「恐れることはありません。男のが生れました」。しかし彼女は答えもせず、また顧みもしなかった。

21 ただ彼女は「栄光はイスラエルを去った」と言って、その子をイカボデと名づけた。これは神の箱の奪われたこと、また彼女のしゅうととのことによるのである。

22 彼女はまた、「栄光はイスラエルを去った。神の箱が奪われたからです」と言った。