Paso 297

Estudio

     

マルコによる福音書 10:13-52

13 イエスにさわっていただくために、人々が幼な子らをみもとに連れてきた。ところが、弟子たちは彼らをたしなめた。

14 それを見てイエスは憤り、彼らに言われた、「幼な子らをわたしの所に来るままにしておきなさい。止めてはならない。神の国はこのような者の国である。

15 よく聞いておくがよい。だれでも幼な子のように神の国を受けいれる者でなければ、そこにはいることは決してできない」。

16 そして彼らを抱き、手をその上おいて祝福された。

17 イエスが道に出て行かれると、ひとりの人が走り寄り、みまえにひざまずいて尋ねた、「よき師よ、永遠の生命を受けるために、何をしたらよいでしょうか」。

18 イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。

19 いましめはあなたの知っているとおりである。『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証を立てるな。欺き取るな。父と母とを敬え』」。

20 すると、彼は言った、「先生、それらの事はみな、小さい時から守っております」。

21 イエスは彼に目をとめ、いつくしんで言われた、「あなたに足りないことが一つある。帰って、持っているものをみな売り払って、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。

22 すると、彼はこの葉を聞いて、顔を曇らせ、悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。

23 それから、イエスは見まわして、弟子たちに言われた、「財産のある者が神の国にはいるのは、なんとむずかしいことであろう」。

24 弟子たちはこの言葉に驚き怪しんだ。イエスは更に言われた、「子たちよ、神の国にはいるのは、なんとむずかしいことであろう。

25 富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。

26 すると彼らはますます驚いて、互に言った、「それでは、だれが救われることができるのだろう」。

27 イエスは彼らを見つめて言われた、「人にはできないが、神にはできる。神はなんでもできるからである」。

28 ペテロがイエスに言い出した、「ごらんなさい、わたしたちはいっさいを捨てて、あなたに従って参りました」。

29 イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでもわたしのために、また福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子、もしくは畑を捨てた者は、

30 必ずその百倍を受ける。すなわち、今この時代では家、兄弟、姉妹、母、子および畑を迫害と共に受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受ける。

31 しかし、多くの先の者はあとになり、あとの者は先になるであろう」。

32 さて、一同はエルサレムへ上る途上にあったが、イエスが先頭に立って行かれたので、彼らは驚き怪しみ、従う者たちは恐れた。するとイエスはまた十二弟子を呼び寄せて、自分の身に起ろうとすることについて語りはじめられた、

33 「見よ、わたしたちはエルサレムへ上って行くが、人の子は祭司長、律法学者たちの手に引きわたされる。そして彼らは死刑を宣告した上、彼を異邦人に引きわたすであろう。

34 また彼をあざけり、つばきをかけ、むち打ち、ついに殺してしまう。そして彼は三日の後によみがえるであろう」。

35 さて、ゼベダイの子のヤコブヨハネとがイエスのもとにきて言った、「先生、わたしたちがお頼みすることは、なんでもかなえてくださるようにお願いします」。

36 イエスは彼らに「何をしてほしいと、願うのか」と言われた。

37 すると彼らは言った、「栄光をお受けになるとき、ひとりをあなたの右に、ひとりを左にすわるようにしてください」。

38 イエスは言われた、「あなたがたは自分が何を求めているのか、わかっていない。あなたがたは、わたしが飲む杯を飲み、わたしが受けるバプテスマを受けることができるか」。

39 彼らは「できます」と答えた。するとイエスは言われた、「あなたがたは、わたしが飲む杯を飲み、わたしが受けるバプテスマを受けるであろう。

40 しかし、わたしの右、左にすわらせることは、わたしのすることではなく、ただ備えられている人々だけに許されることである」。

41 人の者はこれを聞いて、ヤコブヨハネとのことで憤慨し出した。

42 そこで、イエスは彼らを呼び寄せて言われた、「あなたがたの知っているとおり、異邦人の支配者と見られている人々は、その民を治め、また偉い人たちは、その民の上に権力をふるっている。

43 しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。かえって、あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、仕える人となり、

44 あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、すべての人の僕とならねばならない。

45 人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるためである」。

46 それから、彼らはエリコにきた。そして、イエスが弟子たちや大ぜいの群衆と共にエリコから出かけられたとき、テマイの子、バルテマイという盲人のこじきが、道ばたにすわっていた。

47 ところが、ナザレのイエスだと聞いて、彼は「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんでください」と叫び出した。

48 多くの人々は彼をしかって黙らせようとしたが、彼はますます激しく叫びつづけた、「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんでください」。

49 イエスは立ちどまって「彼を呼べ」と命じられた。そこで、人々はその盲人を呼んで言った、「喜べ、立て、おまえを呼んでおられる」。

50 そこで彼は上着を脱ぎ捨て、踊りあがってイエスのもとにきた。

51 イエスは彼にむかって言われた、「わたしに何をしてほしいのか」。その盲人は言った、「先生、見えるようになることです」。

52 そこでイエスは言われた、「行け、あなたの信仰があなたを救った」。すると彼は、たちまち見えるようになり、イエスに従って行った。

マルコによる福音書 11

1 さて、彼らがエルサレムに近づき、オリブの山に沿ったベテパゲ、ベタニヤの附近にきた時、イエスはふたりの弟子をつかわして言われた、

2 「むこうの村へ行きなさい。そこはいるとすぐ、まだだれも乗ったことのないろばの子が、つないであるのを見るであろう。それを解いて引いてきなさい。

3 もし、だれかがあなたがたに、なぜそんな事をするのかと言ったなら、主がお入り用なのです。またすぐ、ここへ返してくださいますと、言いなさい」。

4 そこで、彼らは出かけて行き、そして表通りの戸口に、ろばの子がつないであるのを見たので、それを解いた。

5 すると、そこに立っていた人々が言った、「そのろばの子を解いて、どうするのか」。

6 弟子たちは、イエスが言われたとおり彼らに話したので、ゆるしてくれた。

7 そこで、弟子たちは、そのろばの子をイエスのところ引いてきて、自分たちの上着をそれ投げかけると、イエスはその上お乗りなった。

8 すると多くの人々は自分たちの上着を道に敷き、また他の人々は葉のついた枝を野原から切ってきて敷いた。

9 そして、前に行く者も、あとに従う者も共に叫びつづけた、「ホサナ、主の御名によってきたる者に、祝福あれ。

10 今きたる、われらの父ダビデの国に、祝福あれ。いと高き所に、ホサナ」。

11 こうしてイエスはエルサレムに着き、宮にはいられた。そして、すべてのものを見まわった後、もはやもおそくなっていたので、十二弟子と共にベタニヤに出て行かれた。

12 翌日、彼らがベタニヤから出かけてきたとき、イエスは空腹をおぼえられた。

13 そして、葉の茂ったいちじくの木を遠くからごらんになって、その木に何かありはしないかと近寄られたが、葉のほかは何も見当らなかった。いちじくの季節でなかったからである。

14 そこで、イエスはその木にむかって、「今から後いつまでも、おまえの実を食べる者がないように」と言われた。弟子たちはこれを聞いていた。

15 それから、彼らはエルサレムにきた。イエスは宮に入り、宮の庭で売り買いしていた人々を追い出しはじめ、両替人の台や、はとを売る者の腰掛をくつがえし、

16 また器ものを持って宮の庭を通り抜けるのをお許しにならなかった。

17 そして、彼らに教えて言われた、「『わたしの家は、すべての国民の祈の家ととなえらるべきである』と書いてあるではないか。それだのに、あなたがたはそれを強盗の巣にしてしまった」。

18 祭司長、律法学者たちはこれを聞いて、どうかしてイエスを殺そうと計った。彼らは、群衆がみなその教に感動していたので、イエスを恐れていたからである。

19 夕方になると、イエスと弟子たちとは、いつものように都の外に出て行った。

20 朝はやく道をとおっていると、彼らは先のいちじくが根元から枯れているのを見た。

21 そこで、ペテロは思い出してイエスに言った、「先生、ごらんなさい。あなたがのろわれたいちじくが、枯れています」。

22 イエスは答えて言われた、「神を信じなさい。

23 よく聞いておくがよい。だれでもこの山に、動き出して、海の中にはいれと言い、その言ったことは必ず成ると、心に疑わないで信じるなら、そのとおりに成るであろう。

24 そこで、あなたがたに言うが、なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。

25 また立って祈るとき、だれかに対して、何か恨み事があるならば、ゆるしてやりなさい。そうすれば、天にいますあなたがたの父も、あなたがたのあやまちを、ゆるしてくださるであろう。〔

26 もしゆるさないならば、天にいますあなたがたの父も、あなたがたのあやまちを、ゆるしてくださらないであろう〕」。

27 彼らはまたエルサレムにきた。そして、イエスが宮の内を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちが、みもとにきて言った、

28 「何の権威によってこれらの事をするのですか。だれが、そうする権威を授けたのですか」。

29 そこで、イエスは彼らに言われた、「一つだけ尋ねよう。それに答えてほしい。そうしたら、何の権威によって、わたしがこれらの事をするのか、あなたがたに言おう。

30 ヨハネのバプテスマは天からであったか、人からであったか、答えなさい」。

31 すると、彼らは互に論じて言った、「もし天からだと言えば、では、なぜ彼を信じなかったのか、とイエスは言うだろう。

32 しかし、人からだと言えば……」。彼らは群衆を恐れていた。人々が皆、ヨハネを預言者だとほんとうに思っていたからである。

33 それで彼らは「わたしたちにはわかりません」と答えた。するとイエスは言われた、「わたしも何の権威によってこれらの事をするのか、あなたがたに言うまい」。

マルコによる福音書 12:1-12

1 そこでイエスは譬で彼らに語り出された、「ある人がぶどう園を造り、垣をめぐらし、また酒ぶねの穴を掘り、やぐらを立て、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。

2 季節になったので、農夫たちのところへ、ひとりの僕を送って、ぶどう園の収穫の分け前を取り立てさせようとした。

3 すると、彼らはその僕をつかまえて、袋だたきにし、から手で帰らせた。

4 また他の僕を送ったが、その頭をなぐって侮辱した。

5 そこでまた他の者を送ったが、今度はそれを殺してしまった。そのほか、なお大ぜいの者を送ったが、彼らを打ったり、殺したりした。

6 ここに、もうひとりの者がいた。それは彼の愛子であった。自分の子は敬ってくれるだろうと思って、最後に彼をつかわした。

7 すると、農夫たちは『あれはあと取りだ。さあ、これを殺してしまおう。そうしたら、その財産はわれわれのものになるのだ』と話し合い、

8 彼をつかまえて殺し、ぶどう園の外に投げ捨てた。

9 このぶどう園の主人は、どうするだろうか。彼は出てきて、農夫たちを殺し、ぶどう園を他の人々に与えるであろう。

10 あなたがたは、この聖書の句を読んだことがないのか。『家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。

11 これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』」。

12 彼らはいまの譬が、自分たちに当てて語られたことを悟ったので、イエスを捕えようとしたが、群衆を恐れた。そしてイエスをそこに残して立ち去った。