天界の秘義 #5216

By Emanuel Swedenborg

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5216. 「その後に、出てきた」とは、それに続いて現われるものを意味します。ここでの「出てくる(発芽・生長する)」には、現われるという意味があります。「その後に」とは、「それに続いて」、また「境界線で」という意味になります。そのあと、醜くやせたものが現れたこと、つまり美しく肥えた雌ウシの後という意味です(5202節)。「その後に」が「それに続く」意味になるわけは、「後に」は、時間の継続を意味しながらも、霊的意味では、時間の概念は失われ、その代わりに、それに相応する状態を意味することになるからです。

5217, 「そしてそのやせた穂は、肥えて実った七つの穂を飲み込んだ」とは、無用の科学知が、良い科学知を追放することを意味します。

前述の5214節で触れたように、「やせた穂」は無用の科学知を指しています。「肥えて実った穂」とは、信仰と仁愛の事柄が適用されうるような科学知を指し(5213節)、つまりこれは、よい科学知です。「飲み込む」とは、追放することであり、5206節で雌ウシについて述べたように、「食い尽くす」ことです。良い科学知は、無用の科学知によって追放されます。すなわち諸真理は、諸偽りによって追放されます(5207節参照)。

② 状況は、霊界でも同じです。偽りのあるところでは、真理の出現は不可能です。その反対に、真理の存在するところでは、偽りは存在しません。一方は他方を追放します。対立しあっているからです。

そのわけは、偽りは地獄からであり、真理は天界からです。時として、諸偽りと諸真理が同一の主体に共存しているように見えることがありますが、それはその場にある真理に対立する偽りでなく、適用によって、同居する にいたった偽りです。真理と同時に、それに対立する偽りが現われ出る場合、その主体を、なまぬるい 主体と言い、偽りと真理がまぜこぜになった主体を、冒涜的 主体と言います。

  
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Many thanks to Arcana Press for their permission to use this translation online.