1.一 宗教はすべて〈いのち〉にかかわっている。そして宗教の〈いのち〉は善をなすことである
宗教をもっている人なら、みな善良な生活をすれば救われ、邪悪な生活をすれば罰せられることを、知り認めています。善良な生活をすれば、神や隣人について考えることも善良です。邪悪な生活をすれば違います。人間の〈いのち〉はその人の愛です。人は、自分が愛することをするとき自由で、それについて考えるときも自由です。したがって〈いのち〉とは、善を行うこととも言えます。なぜなら善を行うことは、善を考えることと、同時進行しているからです。両者が同時進行しない場合、人には〈いのち〉がありません。ただこれについては、これから述べていくつもりです。