5286. 「今こそ、パロは見つけられ」とは、自然的なものが予測をたてることを言います。「見る」には予測をたてるという意味があります。なぜなら、ここでの「見る」には、能動的なものが含まれているからです。つまり「そのようになれかし」という意味です。ところが見ることに、〈なすべきこと〉の意味が含まれないとき、理解すること、感得することを意味します。それは、2150,2325,2807,3764,3863,4403-4421,4567,4723,5114節で説明しました。
自然的なものが予測をたてることとは、次のようです。人の自然的なもの、すなわち本人の自然的精神は、合理的精神の下にありますが、みずから予測することはできません。自力で予測しているように見えますが、予測しているのは、準内部の力です。自然的なものが予測しているとすれば、それは準外部です。ちょうど人が、鏡の中の自分を見ているようなものです。自分の像が、鏡の中にあるかのように、写って見えます。
ヨセフがパロに向かって言ったことには、以上のような内的意味があります。「ヨセフ」は、準内部にある霊的・天的なものを表わし、「パロ」は、準外部にある自然的なものを表わします。パロにとって、ヨセフの口にする「理知的で英知のある人」が、ヨセフ自身のように見えました。
