ステップ _9713

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ルカによる福音書 4

1 さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダン川から帰り、

2 荒野を四十日のあいだ御霊にひきまわされて、悪魔の試みにあわれた。そのあいだ何も食べず、その日数がつきると、空腹になられた。

3 そこで悪魔が言った、「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」。

4 イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」。

5 それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて

6 言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。

7 それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。

8 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

9 それから悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、宮の頂上に立たせて言った、「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい。

10 『神はあなたのために、御使たちに命じてあなたを守らせるであろう』とあり、

11 また、『あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』とも書いてあります」。

12 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』と言われている」。

13 悪魔はあらゆる試みをしつくして、一時イエスを離れた。

14 それからイエスは御霊の力に満ちあふれてガリラヤへ帰られると、そのうわさがその地方全体にひろまった。

15 イエスは諸会堂で教え、みんなの者から尊敬をお受けになった。

16 それからお育ちになったナザレに行き、安息日にいつものように会堂にはいり、聖書を朗読しようとして立たれた。

17 すると預言者イザヤの書が手渡されたので、その書を開いて、こう書いてある所を出された、

18 「主の御霊がわたし宿っている。貧しい人々福音を宣べ伝えさせるため、わたしを聖別してくださったからである。主はわたしをつかわして、囚人が解放され、盲人の目が開かれることを告げ知らせ、打ちひしがれている者自由を得させ、

19 主のめぐみの年を告げ知らせるのである」。

20 イエスは聖書を巻いて係りの者に返し、席に着かれると、会堂にいるみんなの者の目がイエスに注がれた。

21 そこでイエスは、「この聖句は、あなたがたが耳にしたこの日に成就した」と説きはじめられた。

22 すると、彼らはみなイエスをほめ、またその口から出て来るめぐみの言葉に感嘆して言った、「この人はヨセフの子ではないか」。

23 そこで彼らに言われた、「あなたがたは、きっと『医者よ、自分自身をいやせ』ということわざを引いて、カペナウムで行われたと聞いていた事を、あなたの郷里のこの地でもしてくれ、と言うであろう」。

24 それから言われた、「よく言っておく。預言者は、自分の郷里では歓迎されないものである。

25 よく聞いておきなさい。エリヤの時代か月わたって天が閉じ、イスラエル全土大ききんがあった際、そこは多くのやもめがいたの

26 エリヤはそのうちのだれにもつかわされないで、ただシドンのサレプタにいるひとりのやもめにだけつかわされた。

27 また預言者エリシャの時代に、イスラエルには多くのらい病人がいたのに、そのうちのひとりもきよめられないで、ただシリヤのナアマンだけがきよめられた」。

28 会堂にいた者たちはこれを聞いて、みな憤りに満ち、

29 立ち上がってイエスをの外へ追い出し、そのが建っている丘のがけまでひっぱって行って、突き落そうとした。

30 しかし、イエスは彼らのまん中を通り抜けて、去って行かれた。

31 それから、イエスはガリラヤカペナウムに下って行かれた。そして安息日になると、人々をお教えになったが、

32 その言葉に権威があったので、彼らはその教に驚いた。

33 すると、汚れた悪霊につかれた人が会堂にいて、大声で叫び出した、

34 「ああ、ナザレのイエスよ、あなたはわたしたちとなんの係わりがあるのです。わたしたちを滅ぼしにこられたのですか。あなたがどなたであるか、わかっています。神の聖者です」。

35 イエスはこれをしかって、「黙れ、この人から出て行け」と言われた。すると悪霊は彼を人なかに投げ倒し、傷は負わせずに、その人から出て行った。

36 みんなの者は驚いて、互り合って言った、「これは、いったい、なんという言葉だろう。権威ととをもって汚れた霊命じられると、彼らは出て行くのだ」。

37 こうしてイエスの評判が、その地方のいたる所にひろまっていった。

38 イエスは会堂を出てシモンの家におはいりになった。ところがシモンのしゅうとめが高い熱を病んでいたので、人々は彼女のためにイエスにお願いした。

39 そこで、イエスはそのまくらもとに立って、熱が引くように命じられると、熱は引き、女はすぐに起き上がって、彼らをもてなした。

40 日が暮れると、いろいろな病気になやむ者をかかえている人々が、皆それをイエスのところに連れてきたので、そのひとりびとりに手を置いて、おいやしになった。

41 悪霊も「あなたこそ神の子です」と叫びながら多くの人々から出ていった。しかし、イエスは彼らを戒めて、物を言うことをお許しにならなかった。彼らがイエスはキリストだと知っていたからである。

42 夜が明けると、イエスは寂しい所へ出て行かれたが、群衆が捜しまわって、みもとに集まり、自分たちから離れて行かれないようにと、引き止めた。

43 しかしイエスは、「わたしは、ほかの々にも神の国の福音を宣べ伝えねばならない。自分はそのためにつかわされたのである」と言われた。

44 そして、ユダヤの諸会堂で教を説かれた。

ルカによる福音書 5

1 さて、群衆が神のを聞こうとして押し寄せてきたとき、イエスはゲネサレ畔に立っておられたが、

2 そこに二そうの小舟が寄せてあるのをごらんになった。漁師たちは、舟からおりて網を洗っていた。

3 その一そうはシモンの舟であったが、イエスはそれに乗り込み、シモンに頼んで岸から少しこぎ出させ、そしてすわって、舟の中から群衆にお教えになった。

4 話がすむと、シモンに「沖へこぎ出し、網をおろして漁をしてみなさい」と言われた。

5 シモンは答えて言った、「先生、わたしたちは夜通し働きましたが、何も取れませんでした。しかし、お言葉ですから、網をおろしてみましょう」。

6 そしてそのとおりにしたところ、おびただしいの群れがはいって、網が破れそうになった。

7 そこで、もう一そうの舟にいた仲間に、加勢に来るよう合図をしたので、彼らがきて魚を両方の舟いっぱいに入れた。そのために、舟が沈みそうになった。

8 これを見てシモン・ペテロは、イエスのひざもとにひれ伏して言った、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者です」。

9 彼も一緒にいた者たちもみな、取れたがおびただしいのに驚いたからである。

10 シモンの仲間であったゼベダイの子ヤコブヨハネも、同様であった。すると、イエスがシモンに言われた、「恐れることはない。今からあなたは人間をとる漁師になるのだ」。

11 そこで彼らは舟を陸引き上げ、いっさいを捨ててイエス従った。

12 イエスがあるおられた時、全身らい病なっている人がそこいた。イエスを見ると、顔を地伏せて願って言った、「主よ、みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。

13 イエスは手を伸ばして彼にさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」と言われた。すると、らい病がただちに去ってしまった。

14 イエスは、だれにも話さないようにと彼に言い聞かせ、「ただ行って自分のからだを祭司に見せ、それからあなたのきよめのため、モーセが命じたとおりのささげ物をして、人々に証明しなさい」とお命じになった。

15 しかし、イエスの評判はますますひろまって行き、おびただしい群衆が、教を聞いたり、病気をなおしてもらったりするために、集まってきた。

16 しかしイエスは、寂しい所に退いて祈っておられた。

17 ある日のこと、イエスが教えておられると、ガリラヤユダヤの方々の村から、またエルサレムからきたパリサイ人や律法学者たちが、そこにすわっていた。主の力が働いて、イエスは人々をいやされた。

18 その時、ある人々が、ひとりの中風をわずらっている人を床のせたまま連れてきて、家の中運び入れ、イエスの前置こうとした。

19 ところが、群衆のためどうしても運び入れる方法がなかったので、屋根のぼり、瓦をはいで、病人を床ごと群衆のまん中つりおろして、イエスの前おいた。

20 イエスは彼らの信仰を見て、「人よ、あなたの罪はゆるされた」と言われた。

21 すると律法学者とパリサイ人たちとは、「神を汚すことを言うこの人は、いったい、何者だ。神おひとりのほかに、だれが罪をゆるすことができるか」と言って論じはじめた。

22 イエスは彼らの論議を見ぬいて、「あなたがたは心の中で何を論じているのか。

23 あなたの罪はゆるされたと言うのと、起きて歩けと言うのと、どちらがたやすいか。

24 しかし、人の子は地上で罪をゆるす権威を持っていることが、あなたがたわかるため」と彼ら対して言い、中風の者むかって、「あなた命じる。起きよ、床を取り上げて家帰れ」と言われた。

25 すると病人は即座にみんなの前で起きあがり、寝ていた床を取りあげて、神をあがめながら家に帰って行った。

26 みんなの者は驚嘆してしまった。そして神をあがめ、おそれに満たされて、「きょうは驚くべきことを見た」と言った。

27 そののち、イエスが出て行かれると、レビという名の取税人が収税所にすわっているのを見て、「わたしに従ってきなさい」と言われた。

28 すると、彼はいっさいを捨てて立ちあがり、イエスに従ってきた。

29 それから、レビは自分の家で、イエスのために盛大な宴会を催したが、取税人やそのほか大ぜいの人々が、共に食卓に着いていた。

30 ところが、パリサイ人やその律法学者たちが、イエスの弟子たちに対してつぶやいて言った、「どうしてあなたがたは、取税人や罪人などと飲食を共にするのか」。

31 イエスは答えて言われた、「健康な人には医者はいらない。いるのは病人である。

32 わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」。

33 また彼らはイエスに言った、「ヨハネの弟子たちは、しばしば断食をし、また祈をしており、パリサイ人弟子たちもそうしているのに、あなたの弟子たちは食べたり飲んだりしています」。

34 するとイエスは言われた、「あなたがたは、花婿が一緒にいるのに、婚礼の客断食をさせることができるであろうか。

35 しかし、花婿が奪い去られる日が来る。その日には断食をするであろう」。

36 それからイエスはまた一つの譬を語られた、「だれも、新しい着物から布ぎれを切り取って、古い着物つぎを当てるものはない。もしそんなことをしたら、新しい着物を裂くことなるし、新しいのから取った布ぎれも古いの合わないであろう。

37 まただれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、新しいぶどう酒は皮袋をはり裂き、そしてぶどう酒は流れ出るし、皮袋もむだになるであろう。

38 新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。

39 まただれも、古い酒を飲んでから、新しいのをほしがりはしない。『古いのが良い』と考えているからである」。

ルカによる福音書 6:1-26

1 ある安息日にイエスが麦畑の中をとおって行かれたとき、弟子たちが穂をつみ、手でもみながら食べていた。

2 すると、あるパリサイ人たちが言った、「あなたがたはなぜ、安息日にしてはならぬことをするのか」。

3 そこでイエスが答えて言われた、「あなたがたは、ダビデとその供の者たちとが飢えていたとき、ダビデのしたことについて、読んだことがないのか。

4 すなわち、神の家にはいって、祭司たちのほかだれも食べてはならぬ供えのパンを取って食べ、また供の者たちにも与えたではないか」。

5 また彼らに言われた、「人の子は安息日の主である」。

6 また、ほかの安息日に会堂にはいって教えておられたところ、そこに右手のなえた人がいた。

7 律法学者やパリサイ人たちは、イエスを訴える口実を見付けようと思って、安息日にいやされるかどうかをうかがっていた。

8 イエスは彼らの思っていることを知って、その手のなえた人に、「起きて、まん中に立ちなさい」と言われると、起き上がって立った。

9 そこでイエスは彼らにむかって言われた、「あなたがたに聞くが、安息日に善を行うのと悪を行うのと、命を救うのと殺すのと、どちらがよいか」。

10 そして彼ら一同を見まわして、その人に「手を伸ばしなさい」と言われた。そのとおりにすると、その手は元どおりになった。

11 そこで彼らは激しく怒って、イエスをどうかしてやろうと、互に話合いをはじめた。

12 このころ、イエスは祈るために山へ行き、夜を徹して神に祈られた。

13 夜が明けると、弟子たちを呼び寄せ、その中から十二人を選び出し、これに使徒という名をお与えになった。

14 すなわち、ペテロとも呼ばれたシモンとその兄弟アンデレ、ヤコブヨハネピリポとバルトロマイ、

15 マタイとトマス、アルパヨの子ヤコブと、熱心党と呼ばれたシモン、

16 ヤコブの子ユダ、それからイスカリオテのユダ。このユダが裏切者となったのである。

17 そして、イエスは彼らと一緒山を下って平地立たれたが、大ぜいの弟子たちや、ユダヤ全土、エルサレム、ツロとシドンの海岸地方などからの大群衆が、

18 教を聞こうとし、また病気をなおしてもらおうとして、そこにきていた。そして汚れた霊に悩まされている者たちも、いやされた。

19 また群衆はイエスにさわろうと努めた。それは力がイエスの内から出て、みんなの者を次々にいやしたからである。

20 そのとき、イエスは目をあげ、弟子たちを見て言われた、「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。

21 あなたがたいま飢えている人たちは、さいわいだ。飽き足りるようになるからである。あなたがたいま泣いている人たちは、さいわいだ。笑うようになるからである。

22 人々があなたがたを憎むとき、また人の子のためにあなたがたを排斥し、ののしり、汚名を着せるときは、あなたがたはさいわいだ。

23 その日には喜びおどれ。見よ、天においてあなたがたの受ける報いは大きいのだから。彼らの祖先も、預言者たちに対して同じことをしたのである。

24 しかしあなたがたんでいる人たちは、わざわいだ。慰め受けてしまっているからである。

25 あなたがた今満腹している人たちは、わざわいだ。飢えるようになるからである。あなたがた今笑っている人たちは、わざわいだ。悲しみ泣くようになるからである。

26 人が皆あなたがたほめるときは、あなたがたはわざわいだ。彼らの祖先も、にせ預言者たちに対して同じことしたのである。