ステップ _9713

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士師記 3

1 すべてカナンのもろもろの戦争を知らないイスラエルの人々を試みるために、主が残しておかれた国民は次のとおりである。

2 これはただイスラエルの代々の孫、特にまだ戦争を知らないものに、それを教え知らせるためである。

3 すなわちペリシテびとの五人の君たちと、すべてのカナンびとと、シドンびとおよびレバノンに住んで、バアル・ヘルモンからハマテの入口までを占めていたヒビびとなどであって、

4 これらをもってイスラエルを試み、主がモーセによって先祖たちに命じられた命令に、彼らが従うかどうかを知ろうとされたのである。

5 しかるにイスラエルの人々はカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびとヒビびとエブスびとのうちに住んで、

6 彼らのにめとり、また自分たちのを彼らのむすこに与えて、彼らの神々に仕えた。

7 こうしてイスラエルの人々は主の前に悪を行い、自分たちの、主を忘れて、バアルおよびアシラに仕えた。

8 そこで主はイスラエルに対して激しく怒り、彼らをメソポタミヤの王クシャン・リシャタイムのに売りわたされたので、イスラエルの人々は八年の間、クシャン・リシャタイムに仕えた。

9 しかし、イスラエルの人々が主に呼ばわったとき、主はイスラエルの人々のために、ひとりの救助者を起して彼らを救われた。すなわちカレブの弟、ケナズのオテニエルである。

10 主の霊がオテニエルに臨んだので、彼はイスラエルをさばいた。彼が戦いに出ると、主はメソポタミヤの王クシャン・リシャタイムをそのにわたされたので、オテニエルのはクシャン・リシャタイムに勝ち、

11 四十年のあいだ太平であった。ケナズのオテニエルはついに死んだ。

12 イスラエルの人々はまた主の前に悪をおこなった。すなわち彼らが主の前に悪をおこなったので、主はモアブの王エグロンを強めて、イスラエルに敵対させられた。

13 エグロンはアンモンおよびアマレクの人々を集め、きてイスラエルを撃ち、しゅろのを占領した。

14 こうしてイスラエルの人々は十八年の間モアブの王エグロンに仕えた。

15 しかしイスラエルの人々が主に呼ばわったとき、主は彼らのために、ひとりの救助者を起された。すなわちベニヤミンびと、ゲラの、左ききのエホデである。イスラエルの人々は彼によってモアブの王エグロンに、みつぎ物を送った。

16 エホデは長さ一キュビトのもろ刃のつるぎを作らせ、それを衣の、右のももの上にびて、

17 モアブの王エグロンにみつぎ物をもってきた。エグロンは非常に肥えた人であった。

18 エホデがみつぎ物をささげ終ったとき、彼はみつぎ物をになってきた民を帰らせ、

19 かれ自身はギルガルに近い石像のある所から引きかえして言った、「王よ、わたしはあなたに申しあげる機密をもっています」。そこで王は「さがっておれ」と言ったので、かたわらに立っている者は皆出て行った。

20 エホデが王のところにはいって来ると、王はひとりで涼みの高殿に座していたので、エホデが「わたしは神の命によってあなたに申しあげることがあります」と言うと、王は座から立ちあがった。

21 そのときエホデは左のを伸ばし、右のももからつるぎをとって王のを刺した。

22 つるぎのつかも刃と共にはいったが、つるぎをから抜き出さなかったので、脂肪が刃をふさいだ。そして汚物が出た。

23 エホデは廊下に出て、王のおる高殿の戸を閉じ、錠をおろした。

24 彼が出た後、王のしもべどもがきて、高殿の戸に錠のおろされてあるのを見て、「王はきっと涼み殿のへやでをおおっておられるのだ」と思った。

25 しもべどもは長いあいだ待っていたが、王がなお高殿の戸を開かないので、心配してかぎをとって開いて見ると、王は床にたおれて死んでいた。

26 エホデは彼らのためらうまに、のがれて石像のある所を過ぎ、セイラに逃げていった。

27 彼が行ってエフライムの地にラッパを吹き鳴らしたので、イスラエルの人々は彼と共に地から下ってエホデに従った。

28 エホデは彼らに言った、「わたしについてきなさい。主はあなたがたのモアブびとをあなたがたのにわたされます」。そこで彼らはエホデに従って下り、ヨルダンの渡し場をおさえ、モアブびとをひとりも渡らせなかった。

29 そのとき彼らはモアブびとおおよそ一万人を殺した。これはいずれも肥え太った勇士であって、ひとりも、のがれた者がなかった。

30 こうしてモアブはそのイスラエルのに服し、八十年のあいだ太平であった。

31 エホデの、アナテのシャムガルが起り、牛のむちをもってペリシテびと人を殺した。この人もまたイスラエルを救った。

士師記 4

1 エホデが死んだ後、イスラエルの人々がまた主の前に悪をおこなったので、

2 主は、ハゾルで世を治めていたカナンの王ヤビンのに彼らを売りわたされた。ヤビンの勢の長はハロセテ・ゴイムに住んでいたシセラであった。

3 彼はの戦車両をもち、二十年の間イスラエルの人々を激しくしえたげたので、イスラエルの人々は主に向かって呼ばわった。

4 そのころラピドテの、女預言者デボラがイスラエルをさばいていた。

5 彼女はエフライムの地のラマベテルの間にあるデボラのしゅろの木の下に座し、イスラエルの人々は彼女のもとに上ってきて、さばきをうけた。

6 デボラは人をつかわして、ナフタリのケデシからアビノアムのバラクを招いて言った、「イスラエルの、主はあなたに、こう命じられるではありませんか、『ナフタリの部族とゼブルンの部族から一万人を率い、行って、タボルに陣をしけ。

7 わたしはヤビンの勢の長シセラとその戦車と隊とをキション川に引き寄せて、あなたに出あわせ、彼をあなたのにわたすであろう』」。

8 バラクは彼女に言った、「あなたがもし一緒に行ってくだされば、わたしは行きます。しかし、一緒に行ってくださらないならば、行きません」。

9 デボラは言った、「必ずあなたと一緒に行きます。しかしあなたは今行く道では誉を得ないでしょう。主はシセラを女のにわたされるからです」。デボラは立ってバラクと一緒にケデシに行った。

10 バラクはゼブルンナフタリをケデシに呼び集め、一万人を従えて上った。デボラも彼と共に上った。

11 時にケニびとヘベルはモーセのしゅうとホバブ孫であるケニびとから分れて、ケデシに近いザアナイムのかしの木までも遠く行って天幕を張っていた。

12 アビノアムのバラクがタボルに上ったと、人々がシセラに告げたので、

13 シセラは自分の戦車の全部すなわちの戦車両と、自分と共におるすべての民をハロセテ・ゴイムからキション川に呼び集めた。

14 デボラはバラクに言った、「さあ、立ちあがりなさい。きょうは主がシセラをあなたのにわたされるです。主はあなたに先立って出られるではありませんか」。そこでバラクは一万人を従えてタボルから下った。

15 主はつるぎをもってシセラとすべての戦車および軍勢をことごとくバラクのに撃ち敗られたので、シセラは戦車から飛びおり、徒歩で逃げ去った。

16 バラクは戦車と軍勢とを追撃してハロセテ・ゴイムまで行った。シセラの軍勢はことごとくつるぎにたおれて、残ったものはひとりもなかった。

17 しかしシセラは徒歩で逃げ去って、ケニびとヘベルのヤエルの天幕に行った。ハゾルの王ヤビンとケニびとヘベルのとは互にむつまじかったからである。

18 ヤエルは出てきてシセラを迎え、彼に言った、「おはいりください。よ、どうぞうちへおはいりください。恐れるにはおよびません」。シセラが天幕にはいったので、ヤエルは毛布をもって彼をおおった。

19 シセラはヤエルに言った、「どうぞ、わたしに水を少し飲ませてください。のどがかわきましたから」。ヤエルは乳の皮袋を開いて彼に飲ませ、また彼をおおった。

20 シセラはまたヤエルに言った、「天幕の入口に立っていてください。もし人がきて、あなたに『だれか、ここにおりますか』と問うならば『おりません』と答えてください」。

21 しかし彼が疲れて熟睡したとき、ヘベルのヤエルは天幕のくぎを取り、に槌を携えて彼に忍び寄り、こめかみにくぎを打ち込んで地に刺し通したので、彼は息絶えて死んだ。

22 バラクがシセラを追ってきたとき、ヤエルは彼を出迎えて言った、「おいでなさい。あなたが求めている人をお見せしましょう」。彼がヤエルの天幕にはいって見ると、シセラはこめかみにくぎを打たれて倒れて死んでいた。

23 こうしてそのカナンの王ヤビンをイスラエルの人々のに撃ち敗られた。

24 そしてイスラエルの人々のはますますカナンびとの王ヤビンの上に重くなって、ついにカナンの王ヤビンを滅ぼすに至った。

士師記 5

1 そのデボラとアビノアムのバラクは歌って言った。

2 イスラエルの指導者たちは先に立ち、民は喜び勇んで進み出た。主をさんびせよ。

3 もろもろの王よ聞け、もろもろの君よ、耳を傾けよ。わたしは主に向かって歌おう、わたしはイスラエルの、主をほめたたえよう。

4 主よ、あなたがセイルを出、エドムの地から進まれたとき、地は震い、天はしたたり、雲は水をしたたらせた。

5 もろもろのは主のに揺り動き、シナイの主、すなわちイスラエルの、主のに揺り動いた。

6 アナテのシャムガルのとき、ヤエルの時には隊商は絶え、旅人はわきをとおった。

7 イスラエルには農民が絶え、かれらは絶え果てたが、デボラよ、ついにあなたは立ちあがり、立ってイスラエルのとなった。

8 人々が新しい神々を選んだとき、戦いはに及んだ。イスラエルの四万人のうちに、あるいは槍の見られたことがあったか。

9 わたしのは民のうちの喜び勇んで進み出たイスラエルのつかさたちと共にある。主をさんびせよ。

10 茶色のろばに乗るもの、毛氈の上にすわるもの、および道を歩むものよ、共に歌え。

11 楽人の調べは水くむ所に聞える。かれらはそこで主の救を唱え、イスラエルの農民の救を唱えている。その時、主の民はに下って行った。

12 起きよ、起きよ、デボラ。起きよ、起きよ、をうたえ。立てよ、バラク、とりこを捕えよ、アビノアムのよ。

13 その時、残った者は尊い者のように下って行き、主の民は勇士のように下って行った。

14 彼らはエフライムから出て谷に進み、兄弟ベニヤミンはあなたの民のうちにある。マキルからはつかさたちが下って行き、ゼブルンからは指揮を執るものが下って行った。

15 イッサカルの君たちはデボラと共におり、イッサカルはバラクと同じく、直ちにそのあとについてに突進した。しかしルベンの氏族は大いに思案した。

16 なぜ、あなたは、おりの間にとどまって、羊の群れに笛吹くのを聞いているのか。ルベンの氏族は大いに思案した。

17 ギレアデはヨルダンの向こうにとどまっていた。なぜ、ダンは舟のかたわらにとどまったか。アセルは浜べに座し、その波止場のかたわらにとどまっていた。

18 ゼブルンは命をすてて、死を恐れぬ民である。野の高い所におるナフタリもまたそうであった。

19 もろもろの王たちはきて戦った。その時カナンの王たちは、メギドの水のほとりのタアナクで戦った。彼らは一片のをも獲なかった。

20 もろもろの星は天より戦い、その軌道をはなれてシセラと戦った。

21 キションの川は彼らを押し流した、激しく流れる川、キションの川。わがよ、勇ましく進め。

22 その時、軍馬ははせ駆けり、馬のひずめは地を踏みならした。

23 主の使は言った、『メロズをのろえ、激しくその民をのろえ、彼らはきて主を助けず、主を助けて勇士を攻めなかったからである』。

24 ケニびとヘベルのヤエルは、女のうちの最も恵まれた者、天幕に住む女のうち最も恵まれた者である。

25 シセラが水を求めると、ヤエルは乳を与えた。すなわち貴重な鉢に凝乳を盛ってささげた。

26 ヤエルはくぎにをかけ、右に重い槌をとって、シセラを打ち、そのを砕き、粉々にして、そのこめかみを打ち貫いた。

27 シセラはヤエルのもとにかがんで倒れ伏し、そのもとにかがんで倒れ、そのかがんだ所に倒れて死んだ。

28 シセラのは窓からながめ、格子窓から叫んで言った、『どうして彼の車の来るのがおそいのか、どうして彼の車の歩みがはかどらないのか』。

29 その侍女たちの賢い者は答え、母またみずからおのれに答えて言った、

30 『彼らは獲物を得て、それを分けているのではないか、人ごとにひとり、ふたりのおなごを取り、シセラの獲物は色染めの衣、縫い取りした色染めの衣の獲物であろう。すなわち縫い取りした色染めの衣二つを、獲物としてそのくびにまとうであろう』。

31 主よ、あなたのはみなこのように滅び、あなたを愛する者を太陽の勢いよく上るようにしてください」。こうして後、四十年のあいだ太平であった。