天界の秘義#5317

作者: エマニュエル・スウェデンボルグ

この節の研究

  
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5317. 「パロは、自分の手から指輪をはずして」とは、パロが従来もっていた能力を確認することを意味します。前述のように、「パロ」は、自然的なものを表象的にあらわします。「指輪」とは、後述のように、確認を意味します。「手」は、能力です(878,3091,3387,4931-4937,5296節)。

「自分の手から指輪をはずす」とは、自分に備わっていた従来の能力を断念することです。「それをヨセフの手にはめる」とは、後述のように、〈霊的なものの天的なもの〉へ、すべての能力を委譲することを示します。手にはめた「指輪」とは、能力の確認です。これは〈みことば〉にある平行個所からは確かめられません。手にはめた指輪については、次のように、ルカによる福音書から以外には出てきません。

「全財産を浪費した息子の父は、召使たちに言った。最上の衣服をもってきて、かれに着せ、その手に指輪をはめ、足に靴をはかせなさい、と」(ルカ 15:22)。

上掲での「指輪」は、家にあって、従来どおりの息子としての能力(権限)

の確認を意味します。これは昔から、われわれが行う儀式を見れば分かります。

例えば、婚約、嫁入り、事始めなどで、儀式を行いますが、その中で、指輪が手にはめられます。これもまた能力の確認を意味します。その他にも、手にはめられた印 は、同意と確認を示します(エレミヤ 22:24)。それについては、4874節を参照してください。

  
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