結婚愛#314

作者: エマニュエル・スウェデンボルグ

この節の研究

  
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314.18. 斬進的秩序 ordo successivus と同時的秩序 ordo simultaneus があるが、後者は前者にもとづき、前者に呼応する。

このテーマは、前述の内容したことを確認するため申し添えます。斬進的秩序と同時的秩序があることは周知のとおりですが、同時的秩序が、斬進的秩序に由来するとともに、それに比例することについては、まだ知られていませんとは言え、斬進的秩序がどのようにして同時的秩序の中に組みこまれ、そこでどのような秩序を形成していくかについては、はっきり感じとるまでに示すことは、ひじょうな難題です。なぜなら学者にとっても、これを明確に浮き彫りにして行けるような考え方が生まれていないからです。

いずれにせよ、この種の秘義にかんしては、その考え方の発端もわずかな説明ではとらえ切れず、ここでこれについて多く触れることは、結婚愛についてのより開かれた見方から心を引き離すかも知れないので、『聖書にかんする新エルサレムの教義』の中で斬進・同時の両秩序と、前者の後者への流入についての要約を紹介することで、とりあえず満足いただけたと思います。それには次のようにあります。

[2]. 「天界とこの世には斬進的秩序と同時的秩序があります。斬進的秩序とは、最高からはじまって最低までそれぞれが連続して行く秩序です。同時的秩序とは、最内部からはじまって最外部に向かい、並列的に続く秩序です。斬進的秩序は、一番高いところから一番低いところへと並ぶ階段の上の石柱のような感じです。それにたいし、同時的秩序は中心から外部に向かってまとめられた芸術作品のような感じです。斬進的秩序はその最終末端では同時的になります。斬進的秩序の最高部のところは、同時的秩序の最内奥部であり、斬進的

秩序の最低部のところは同時的秩序の最外部になります。これを例えてみればそれぞれの石段の上にある石柱がだんだん下へさがって平地では一体化したものになるような感じです。このように、霊界にある個々全体にも、自然世界にある個々全体にも、斬進的なものによって同時的なものが形成されて行きます」(38 節を参照。『神の愛と知恵』:神の愛と知恵ccc205-229節に詳述)。

[3]. 同じようなことが、結婚に向かって続く斬進的秩序、および結婚の中にある同時的秩序について言えます。すなわち、後者は前者からなり、前者に比例するものなのです。同時的なものへと流れて行く斬進的秩序の流入を知っていれば、天使たちが人の手を見て、その中に本人の精神にある思考と意図の全てを読みとることができる理由が分かります。それはまた、妻が自分の胸の上にある夫の手から、夫の情愛を感じるわけでもあります。このようなことについてメモの中にも処々で述べてあります。その理由は手は人間の末端部で、そこに本人の精神が思いめぐらしたことや決心したことが結集していること、つまりそこで同時的になっているためです。それ故〈みことば〉にも、手の中に刻みこまれているという言い方があります。

  
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Many thanks to Arcana Press for their permission to use this translation online.