12
知恵であるわたしは悟りをすみかとし、知識と慎みとをもつ。
13
主を恐れるとは悪を憎むことである。わたしは高ぶりと、おごりと、悪しき道と、偽りの言葉とを憎む。
14
計りごとと、確かな知恵とは、わたしにある、わたしには悟りがあり、わたしには力がある。
15
わたしによって、王たる者は世を治め、君たる者は正しい定めを立てる。
16
わたしによって、主たる者は支配し、つかさたる者は地を治める。
17
わたしは、わたしを愛する者を愛する、わたしをせつに求める者は、わたしに出会う。
18
富と誉とはわたしにあり、すぐれた宝と繁栄もまたそうである。
19
わたしの実は金よりも精金よりも良く、わたしの産物は精銀にまさる。
20
わたしは正義の道、公正な道筋の中を歩み、
21
わたしを愛する者に宝を得させ、またその倉を満ちさせる。
22
主が昔そのわざをなし始められるとき、そのわざの初めとして、わたしを造られた。
23
いにしえ、地のなかった時、初めに、わたしは立てられた。
24
まだ海もなく、また大いなる水の泉もなかった時、わたしはすでに生れ、
25
山もまだ定められず、丘もまだなかった時、わたしはすでに生れた。
26
すなわち神がまだ地をも野をも、地のちりのもとをも造られなかった時である。
27
彼が天を造り、海のおもてに、大空を張られたとき、わたしはそこにあった。
28
彼が上に空を堅く立たせ、淵の泉をつよく定め、
29
海にその限界をたて、水にその岸を越えないようにし、また地の基を定められたとき、
30
わたしは、そのかたわらにあって、名匠となり、日々に喜び、常にその前に楽しみ、
31
その地で楽しみ、また世の人を喜んだ。
32
それゆえ、子供らよ、今わたしの言うことを聞け、わたしの道を守る者はさいわいである。
33
教訓を聞いて、知恵を得よ、これを捨ててはならない。
34
わたしの言うことを聞き、日々わたしの門のかたわらでうかがい、わたしの戸口の柱のわきで待つ人はさいわいである。
35
それは、わたしを得る者は命を得、主から恵みを得るからである。
36
わたしを失う者は自分の命をそこなう、すべてわたしを憎む者は死を愛する者である」。