ステップ _9713

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ルカによる福音書 17

1 イエスは弟子たちに言われた、「罪の誘惑が来ることは避けられない。しかし、それきたらせる者は、わざわいである。

2 これらの小さい者のひとりを罪に誘惑するよりは、むしろ、ひきうすを首にかけられて海に投げ入れられた方が、ましである。

3 あなたがたは、自分で注意していなさい。もしあなたの兄弟が罪を犯すなら、彼をいさめなさい。そして悔い改めたら、ゆるしてやりなさい。

4 もしあなたに対して一日に七度罪を犯し、そして七度『悔い改めます』と言ってあなたのところへ帰ってくれば、ゆるしてやるがよい」。

5 使徒たちは主に「わたしたちの信仰を増してください」と言った。

6 そこで主が言われた、「もし、からし種一ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう。

7 あなたがたのうちのだれかに、耕作か牧畜かをする僕があるとする。その僕が畑から帰って来たとき、彼に『すぐきて、食卓につきなさい』と言うだろうか。

8 かえって、『夕食の用意をしてくれ。そしてわたしが飲み食いをするあいだ、帯をしめて給仕をしなさい。そのあとで、飲み食いをするがよい』と、言うではないか。

9 僕が命じられたことをしたからといって、主人は彼に感謝するだろうか。

10 同様にあなたがたも、命じられたことを皆してしまったとき、『わたしたちはふつつかな僕です。すべき事をしたに過ぎません』と言いなさい」。

11 イエスはエルサレムへ行かれるとき、サマリヤとガリラヤとの間を通られた。

12 そして、ある村にはいられると、人のらい病人に出会われたが、彼らは遠くの方で立ちとどまり、

13 声を張りあげて、「イエスさま、わたしたちをあわれんでください」と言った。

14 イエスは彼らをごらんになって、「祭司たちのところに行って、からだを見せなさい」と言われた。そして、行く途中で彼らはきよめられた。

15 そのうちのひとりは、自分がいやされたことを知り、大声で神をほめたたえながら帰ってきて、

16 イエスの足もとひれ伏して感謝した。これはサマリヤ人であった。

17 イエスは彼にむかって言われた、「きよめられたのは、人ではなかったか。ほかの九人は、どこにいるのか。

18 神をほめたたえるために帰ってきたものは、この他国人のほかにはいないのか」。

19 それから、その人に言われた、「立って行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのだ」。

20 神の国はいつ来るのかと、パリサイ人尋ねたので、イエスは答えて言われた、「神の国は、見られるかたちで来るものではない。

21 また『見よ、ここにある』『あそこにある』などとも言えない。神の国は、実にあなたがたのただ中にあるのだ」。

22 それから弟子たちに言われた、「あなたがたは、人の子の日を一日でも見たいと願っても見ることができない時が来るであろう。

23 人々はあなたがたに、『見よ、あそこに』『見よ、ここに』と言うだろう。しかし、そちらへ行くな、彼らのあとを追うな。

24 いなずまが天の端からひかり出て天の端へとひらめき渡るように、人の子もその日には同じようであるだろう。

25 しかし、彼はまず多くの苦しみを受け、またこの時代の人々に捨てられねばならない。

26 そして、ノアの時にあったように、人の子の時にも同様なことが起るであろう。

27 ノアが箱舟にはいる日まで、人々は食い、飲み、めとり、とつぎなどしていたが、そこへ洪水が襲ってきて、彼らをことごとく滅ぼした。

28 ロトの時にも同じようなことが起った。人々は食い、飲み、買い、売り、植え、建てなどしていたが、

29 ロトがソドムから出て行った日に、天から火と硫黄とが降ってきて、彼らをことごとく滅ぼした。

30 人の子が現れる日も、ちょうどそれと同様であろう。

31 その日は、屋上いる者は、自分の持ち物が家の中あっても、取りおりるな。畑いる者も同じよう、あとへもどるな。

32 ロトの妻のことを思い出しなさい。

33 自分の命を救おうとするものは、それを失い、それを失うものは、保つのである。

34 あなたがた言っておく。その夜、ふたりの男が一つ寝床いるならば、ひとりは取り去られ、他のひとりは残されるであろう。

35 ふたりの女が一緒にうすをひいているならば、ひとりは取り去られ、他のひとりは残されるであろう。〔

36 ふたりの男が畑におれば、ひとりは取り去られ、他のひとりは残されるであろう〕」。

37 弟子たちは「主よ、それはどこであるのですか」と尋ねた。するとイエスは言われた、「死体のある所には、またはげたかが集まるものである」。

ルカによる福音書 18

1 また、イエスは失望せずに常に祈るべきことを、人々に譬で教えられた。

2 「あるに、神を恐れず、人を人とも思わぬ裁判官がいた。

3 ところが、その同じにひとりのやもめがいて、彼のもとにたびたびきて、『どうぞ、わたしを訴える者をさばいて、わたしを守ってください』と願いつづけた。

4 彼はしばらくの間きき入れないでいたが、そののち、心のうちで考えた、『わたしは神をも恐れず、人を人とも思わないが、

5 このやもめがわたしに面倒をかけるから、彼女のためになる裁判をしてやろう。そうしたら、絶えずやってきてわたしを悩ますことがなくなるだろう』」。

6 そこで主は言われた、「この不義な裁判官の言っていることを聞いたか。

7 まして神は、日夜叫び求める選民のため、正しいさばきをしてくださらず長い間そのまましておかれることがあろうか。

8 あなたがた言っておくが、神はすみやかさばいてくださるであろう。しかし、人の子が来るとき、地上信仰が見られるであろうか」。

9 自分を義人だと自任して他人を見下げている人たち対して、イエスはまたこの譬をお話しなった。

10 「ふたりの人が祈るために宮に上った。そのひとりはパリサイ人であり、もうひとりは取税人であった。

11 パリサイ人は立って、ひとりでこう祈った、『神よ、わたしはほかの人たちのような貪欲な者、不正な者、姦淫をする者ではなく、また、この取税人のような人間でもないことを感謝します。

12 わたしは一週に二度断食しており、全収入の十分の一をささげています』。

13 ところが、取税人は遠く離れて立ち、目を天にむけようともしないで、胸を打ちながら言った、『神様、罪人のわたしをおゆるしください』と。

14 あなたがたに言っておく。神に義とされて自分の家に帰ったのは、この取税人であって、あのパリサイ人ではなかった。おおよそ、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう」。

15 イエスにさわっていただくために、人々が幼な子らをみもとに連れてきた。ところが、弟子たちはそれを見て、彼らをたしなめた。

16 するとイエスは幼な子らを呼び寄せて言われた、「幼な子らをわたしのところに来るままにしておきなさい、止めてはならない。神の国はこのような者の国である。

17 よく聞いておくがよい。だれでも幼な子のように神の国を受けいれる者でなければ、そこにはいることは決してできない」。

18 また、ある役人がイエスに尋ねた、「よき師よ、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。

19 イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。

20 いましめはあなたの知っているとおりである、『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証を立てるな、父と母とを敬え』」。

21 すると彼は言った、「それらのことはみな、小さい時から守っております」。

22 イエスはこれを聞いて言われた、「あなたのする事がまだ一つ残っている。持っているものをみな売り払って、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。

23 彼はこの言葉を聞いて非常に悲しんだ。大金持であったからである。

24 イエスは彼の様子を見て言われた、「財産のある者が神の国にはいるのはなんとむずかしいことであろう。

25 富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。

26 これを聞いた人々が、「それでは、だれが救われることができるのですか」と尋ねると、

27 イエスは言われた、「人にはできない事も、神にはできる」。

28 ペテロが言った、「ごらんなさい、わたしたちは自分のものを捨てて、あなたに従いました」。

29 イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでも神の国のために、家、妻、兄弟、両、子を捨てた者は、

30 必ずこの時代ではその幾倍もを受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受けるのである」。

31 イエスは十二弟子を呼び寄せて言われた、「見よ、わたしたちはエルサレムへ上って行くが、人の子について預言者たちがしるしたことは、すべて成就するであろう。

32 人の子は異邦人に引きわたされ、あざけられ、はずかしめを受け、つばきをかけられ、

33 また、むち打たれてから、ついに殺され、そして三日目によみがえるであろう」。

34 弟子たちには、これらのことが何一つわからなかった。この言葉が彼らに隠されていたので、イエスの言われた事が理解できなかった。

35 イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道ばたにすわって、物ごいをしていた。

36 群衆が通り過ぎる音を耳にして、彼は何事があるのかと尋ねた。

37 ところが、ナザレのイエスがお通りなのだと聞かされたので、

38 声をあげて、「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんで下さい」と言った。

39 先頭に立つ人々が彼をしかって黙らせようとしたが、彼はますます激しく叫びつづけた、「ダビデの子よ、わたしをあわれんで下さい」。

40 そこでイエスは立ちどまって、その者を連れて来るように、とお命じになった。彼が近づいたとき、

41 「わたしに何をしてほしいのか」とおたずねになると、「主よ、見えるようになることです」と答えた。

42 そこでイエスは言われた、「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った」。

43 すると彼は、たちまち見えるようになった。そして神をあがめながらイエスに従って行った。これを見て、人々はみな神をさんびした。

ルカによる福音書 19:1-27

1 さて、イエスはエリコにはいって、その町をお通りになった。

2 ところが、そこにザアカイという名の人がいた。この人は取税人のかしらで、金持であった。

3 彼は、イエスがどんな人か見たいと思っていたが、背が低かったので、群衆にさえぎられて見ることができなかった。

4 それでイエスを見るため、前の方走って行って、いちじく桑の木登った。そこを通られるところだったからである。

5 イエスは、その場所にこられたとき、上を見あげて言われた、「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょう、あなたの家に泊まることにしているから」。

6 そこでザアカイは急いでおりてきて、よろこんでイエスを迎え入れた。

7 人々はみな、これを見てつぶやき、「彼は罪人の家にはいって客となった」と言った。

8 ザアカイは立って主に言った、「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」。

9 イエスは彼に言われた、「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。

10 人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである」。

11 人々がこれらの言葉を聞いているときに、イエスはなお一つの譬をお話しになった。それはエルサレムに近づいてこられたし、また人々が神の国はたちまち現れると思っていたためである。

12 それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。

13 そこで人の僕を呼びミナを渡して言った、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』。

14 ところが、本国の住民は彼を憎んでいたので、あとから使者をおくって、『この人が王なるのをわれわれは望んでいない』と言わせた。

15 さて、彼が王位を受けて帰ってきたとき、だれがどんなもうけをしたかを知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼んでこさせた。

16 最初の者が進み出て言った、『ご主人様、あなたの一ミナでミナをもうけました』。

17 主人は言った、『よい僕よ、うまくやった。あなたは小さい事に忠実であったから、十のを支配させる』。

18 次の者がきて言った、『ご主人様、あなたの一ミナで五ミナをつくりました』。

19 そこでこの者にも、『では、あなたは五つののかしらになれ』と言った。

20 それから、もうひとりの者がきて言った、『ご主人様、さあ、ここにあなたの一ミナがあります。わたしはそれをふくさに包んで、しまっておきました。

21 あなたはきびしい方で、おあずけにならなかったものを取りたて、おまきにならなかったものを刈る人なので、おそろしかったのです』。

22 彼に言った、『悪い僕よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈る人間だと、知っているのか。

23 では、なぜわたしの金を銀行に入れなかったのか。そうすれば、わたしが帰ってきたとき、その金を利子と一緒に引き出したであろうに』。

24 そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、ミナを持っている者に与えなさい』と言った。

25 彼らは言った、『ご主人様、あの人は既にミナを持っています』。

26 『あなたがたに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう。

27 しかしわたしが王なることを好まなかったあの敵どもを、ここひっぱってきて、わたしの前で打ち殺せ』」。