311. 15. 以上が結婚愛の秩序である。これはその最初の熱から始まって、最初の松明にそれなりのやり方を含んでいる。
その最初の熱から始まって、最初の松明にいたると言いましたが、それは愛こそ生命の熱であり、結婚の熱すなわち結婚愛はだんだんと燃え、ついには炎すなわち松明の火のように燃えあがるからです。またその最初の松明にいたるまでと言ったのは、結婚愛が燃えあがるのは、婚礼のあとの最初の状態が来たときだからです。ただし結婚そのものの中で、この松明が燃えたあとどうなるかは、前述の箇所で記しました。本書の中では、最初の出発点からこの最初のゴールまでの順序が説明されています。
[2]. この世界にあって、見え知られているものから十分合理的に説明され確認がとれることは次のとおりです。すなわち、秩序はすべて最初のものから最後のものまで進んで行きます。最後のものは、それに続くもう一つ別の秩序にとっての最初になります。またその秩序の中間にあるものはすべて、先行するものにとっては最後ですが、後からくるものにとっては最初です。このようにして目的になるものは、原因を通して、結果にいたるまで絶えず進んでいるわけです。
しかしながらここでは、愛がその最初の段階からそのゴールにまで進んで行く特殊な秩序をとり扱っているわけですから、以上のことは見過ごすことにします。ただ次のことだけを伝えておきます。この愛の秩序は、その最初の熱から始まって、その最初の松明にまで進みますが、あとにくる進展過程の中にあるものは、ほとんどがそれに準ずることです。つまり最初の愛の中にあったままのものが、それ自身の中で進展して行くことです。純潔な愛であれば、その進展過程の中でその純潔性が強まり、不純な愛であれば、その不純性はその進展の中で殖えて行くことです。そして婚約の時以来、内面でなく外面から覆っていた純潔性は、ついにすべて失われて行きます。
