312. 16. 一定の順序とその方式を欠いた結婚愛は、中軸になるものが燃えてしまうため、消滅する。
天界である天使たちは次のように言っていました。「中軸になるもの medullae 」とは精神と肉体の内部にあるもののことです。それが性急で早まった結婚愛によって燃え尽きてしまうこと、つまり消耗してしまうということです。なぜならそのとき、愛は炎から始まり、それが最奥の至聖所を侵蝕・破壊して行きます。その至聖所にはやがて結婚愛がその始源的な状態で宿り、そこから芽生え始めるところなのです。これはつまり男女が見境なく結合を急ぎ、主を見あげることも、理性的に考えてみることもなく、婚約を拒否し、ただ肉にしたがった場合です。この種の情炎から始まった愛は、内部にいたらず外面的ですから、結婚愛にはなりません。これは充実したものではなく、皮相的・肉的で、痩せ細ったもの、干上がったものになります。その純粋な本質が骨抜きにされてしまうからです(305節で詳述)。