5070. 正しい者に与えられる永遠の〈いのち〉は、善からくる〈いのち〉です。善はそれ自身の中に〈いのち〉をもっています。なぜなら、〈いのち〉そのものにまします主によるからです。主による〈いのち〉には、英知と理知が内在しています。なぜなら主から善をいただくこと、つまりは善を欲することこそ、英知だからです。また主から真理をいただくこと、つまりは真理を信じることこそ、理知だからです。しかもその英知と理知をいただく人こそ、〈いのち〉をもつことになります。そのような〈いのち〉には幸福が伴っているため、〈いのち〉とは、永遠の幸福を意味することになります。
悪のうちに漬かっている人は、その反対です。かれらとて、最初は自分の目には、〈いのち〉をもつように見えます。しかしこの〈いのち〉は、〈みことば〉で死と呼ばれます。それはまた霊的死です。なぜなら善を英知的に味わうことがなく、真理を理解することもないからです。
以上、吟味すれば、だれにも明らかになります。〈いのち〉は善の中にあり、それに伴って真理の中にあります。他方、〈いのち〉は悪の中にはなく、それに由来する偽りの中にもありません。これこそ〈いのち〉に反するもの、〈いのち〉を消滅させるものです。したがってかれらには、狂気という以外には、〈いのち〉はありません。
